「今期は売上が伸びて、過去最高の黒字になりそうだ!」
決算を締めくくり、喜んでいたのもつかの間。
税理士から提示された法人税や消費税の金額を見て、顔面が蒼白になる。
「こんなに税金がかかるのか…。しかも、払うための現金が口座に残っていない!」
福岡市の税理士として多くの中小企業を支援していると、このような経営者様の焦りの声をお聞きすることが少なくありません。
実は、会社が倒産する理由の多くは「赤字だから」ではなく、利益は出ているのに手元の現金が尽きてしまう「黒字倒産」です。
そして、その黒字倒産の引き金となりやすいのが、決算後にやってくる「納税ラッシュ」なのです。
この記事では、福岡市中央区の武久税理士事務所が、なぜ利益と現金にズレが生じるのかという基本から、会社を守るための納税資金の「賢い残し方」と「賢い借り方」について、専門用語を噛み砕いて分かりやすく解説します。
法人の資金繰りはもちろん、福岡市の個人事業主様の法人成りや、事業成長を見据えたヒントになれば幸いです。
なぜ「利益が出ているのに、払う現金がない」のか?
「利益が出ている=口座に現金が貯まっている」と考えがちですが、会計の世界ではこの2つは必ずしも一致しません。
まずは、黒字倒産を引き起こすメカニズムを知っておきましょう。
利益とキャッシュ(現金)のタイムラグ
現金が手元にない最大の理由は、入金と支払いのタイミングのズレ(タイムラグ)です。
例えば、売上が上がって今月の「利益」として計上されても、売掛金として取引先からの入金が2ヶ月先であれば、今は手元に現金はありません。
また、銀行からの借入金の「元本返済」は、経費(損金)として利益から差し引くことができません。
つまり、帳簿上はしっかり利益が出ていても、毎月の返済で現金は確実に減っていくという現象が起きるのです。
決算から2ヶ月後に訪れる「納税ラッシュ」の恐怖
会社の決算日からきっちり2ヶ月後。
このタイミングで、法人税、消費税、法人事業税などの支払いが一気に押し寄せます。
もしこの時に手元の現金が不足していると、税金が払えないばかりか、仕入先への支払いや従業員の給与振込までストップしてしまう、最悪の事態(ショート)を招きかねません。
法人税で首を絞めない!納税資金の賢い「残し方」
「利益が出たら税金で全部持っていかれる」と嘆く前に、まずは資金がショートしないための仕組みを作りましょう。
物理的にお金を避ける方法から、合法的に税金を減らして現金を残す方法まで、いくつかのアプローチがあります。
月次試算表で「納税予測」を立てる
決算の1ヶ月前になって「さあ、税金はいくらだ?」と計算し始めるのでは遅すぎます。
正しい経営を行うためには、毎月の月次試算表をもとに、「今のペースで利益が出続けたら、最終的にいくら税金がかかるか」という納税予測を期首から立てておくことが不可欠です。
ゴール(納税額)が見えていれば、焦ることはありません。
納税用の「別口座」で強制的に積み立てる
メインの事業用口座に現金が潤沢にあると、経営者はどうしても「新しい設備を買おう」「採用を強化しよう」と運転資金として使いたくなってしまいます。
これを防ぐ最も効果的な方法は、物理的にお金を避難させることです。
毎月の納税予測をもとに、「これは国に払うお金だ」と割り切り、納税準備預金などの別口座へ毎月強制的に積み立てていく仕組みをおすすめします。
国が認めた節税&貯金ツール「倒産防止共済」を活用する
利益が出て税金が高くなりそうな時、無駄な経費を使って無理やり利益を減らすのは本末転倒です(現金が減ってしまうため)。
そこでおすすめなのが「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」です。
掛金(年間最大240万円)が全額経費になるため法人税を減らしつつ、将来解約すればお金が戻ってくる(実質的な貯金)という、経営者にとって非常に有利な制度です。
決算直前の「不良在庫の処分」と「不良債権の処理」
売れ残ってホコリをかぶっている在庫や、取引先が倒産して回収不能になった売掛金はありませんか?
これらはそのまま放置すると「資産」とみなされ、税金がかかる原因になります。
決算期末までに思い切って廃棄(除却)したり、貸倒れとして処理したりすることで、利益を圧縮し、無駄な税金を減らす=手元の現金を残すことができます。
【注意点】半年後にやってくる「中間申告」の存在を忘れない
意外と忘れがちなのが、決算から半年後にやってくる「中間申告(予定納税)」です。
前期の税額が一定以上だった場合、「今期の税金の前払いとして、前期の半分の額を払ってください」という請求が来ます。
決算時の納税だけでなく、この中間申告の支払いも資金繰り表にしっかり組み込んでおくことが重要です。
手元資金を守る!納税資金の賢い「借り方」と「しのぎ方」
「別口座に貯める余裕なんてない」「急な先行投資で手元の現金が減ってしまった」
そんな時は、金融機関からお金を借りたり、支払い方法を工夫したりして納税資金を確保・調整する選択肢があります。
「税金を払うために借金する」のはアリなのか?
「税金を払うための借金なんて、銀行は貸してくれないのでは?」と不安に思うかもしれませんが、結論から言うと「アリ」です。
金融機関にとって、決算時の「賞与の支給」や「納税」は、一時的に多額の資金が必要になる正当な理由(決算資金・季節資金)として広く認知されています。
手元の現金をギリギリまで減らして経営を不安定にするくらいなら、納税用の資金を借り入れて、手元のキャッシュを手厚く保つ方が財務戦略としては正解です。
【融資を申し込む「最適なタイミング」とは】
決算が終わって税額が確定してから慌てて銀行に申し込むのでは、審査が間に合わず納税期限を過ぎてしまう(延滞税などのペナルティが発生する)リスクがあります。
鉄則は、決算の1〜2ヶ月前。
つまり「今期の着地点(見込みの利益と税額)」が見えた段階で、早めに金融機関や日本政策金融公庫に打診することです。
融資が通りやすい会社と、断られる会社の違い
銀行が融資を断るのは、「日々の運転資金が赤字で足りず、その上税金も払えない」という会社です。
一方で、「本業の利益はしっかり出ているが、売掛金の回収が先だから(あるいは成長のための先行投資をしたから)、手元に現金を残しておきたい」という前向きな理由であれば、話は別です。
これらを論理的に説明し、精緻な「資金繰り表」を提示できれば、融資の成功率は格段に上がります。
カードで払って時間を稼ぐ「クレジットカード納付」
「融資が間に合わないが、1〜2ヶ月後には大きな入金がある」という場合の一時的なしのぎ方として、法人税等のクレジットカード納付があります。
決済手数料(約0.8%強)はかかってしまいますが、手元の現金を減らさずに支払いを先延ばしにでき、カードのポイントも貯まるというメリットがあります。
最終手段!税務署に相談する「換価の猶予」
「銀行の融資も断られ、どうしても払う現金がない…」という場合でも、絶対にやってはいけないのは「無視(放置)」することです。
放置すると延滞税が膨れ上がり、最悪の場合は会社の口座が差し押さえられ、文字通り倒産に直結します。
払えないと分かったら、すぐに税務署へ行きましょう。
事情を説明し、一定の要件を満たせば、最長1年間の分割払いが認められる「換価の猶予」という制度を利用できる可能性があります。
税理士は「過去の計算」だけでなく「未来の資金繰り」を相談する相手
税理士の仕事は、過去の領収書をまとめて「今年の税金は〇〇円です」と伝えることだけではありません。
会社の血液である「現金(キャッシュ)」をいかに回し、いかに残すかを経営者と共に考えることこそが、本来の役割です。
クラウド会計を活用したタイムリーな資金管理
武久税理士事務所では、freeeやマネーフォワードといったクラウド会計ソフトの導入を推奨しています。
これにより、「今月いくら利益が出たか」「数ヶ月後にいくらの支払いがあるか」といった資金繰りの状況を、経営者様ご自身がリアルタイムで把握できるようになります。
社長の右腕「社外CFO(財務責任者)」として
私たちは、単なる税金の計算屋ではありません。
事前の納税予測から資金繰り表の作成、そして「いつ、どのタイミングで、どの銀行に融資を申し込むべきか」といった金融機関へのアプローチまで、社長の右腕(社外の財務責任者)としてフルサポートいたします。
まとめ|福岡市の資金繰り・融資の無料相談なら武久税理士事務所へ
納税は企業の義務ですが、そのために会社が倒産しては元も子もありません。
税金の支払いで会社のキャッシュが底をつく前に、「賢く残す仕組み」と「賢く借りる戦略」を立てましょう。
「今期の税金がいくらになるか不安だ」
「納税のための融資を受けたいが、銀行への説明の仕方がわからない」
このような資金繰りや決算前の融資にお悩みの経営者様は、ぜひお早めに当事務所へご相談ください。
手遅れになる前に、プロの視点で会社の財務を立て直すお手伝いをいたします。
【福岡市の税理士をお探しの方へ】幅広いご相談に対応します
当事務所では、法人様の資金繰りや節税対策だけでなく、個人事業主様の確定申告サポート、さらには相続税対策や事業承継まで、多岐にわたるご相談を承っております。
「どの税理士事務所を選べばいいか分からない」「おすすめの税理士を探している」という方は、ぜひ一度、福岡市中央区(六本松)の武久税理士事務所へご連絡ください。
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