「7月に入り、通帳の残高が急激に減って焦っている…」。
「毎月の売上は悪くないはずなのに、なぜか支払いに回す現金が足りない」。
夏のこの時期、このようなお悩みを抱える経営者様は非常に多くいらっしゃいます。
夏(特に6月・7月・8月)は、賞与(ボーナス)の支払いや、住民税・源泉所得税の納付、そしてお盆休みによる入金減などがドッと重なるため、中小企業の「資金繰りが悪化」しやすい、1年の中で最も危険な時期なのです。
このピンチを乗り切るためには、現状を正しく把握し、手元に現金を残すための「次の一手」を打つ必要があります。
この記事では、福岡市で財務コンサルティングを行う武久税理士事務所が、なぜ資金繰りが悪化するのかという「原因」から、手元資金を確保するための「具体的な対策と資金調達」までを、初心者にも分かりやすく解説します。
そもそも「資金繰りが悪化する」とはどういう状態?(原因とメカニズム)
「資金繰りの悪化」という言葉を耳にすると、「=赤字で会社が傾いている」と想像するかもしれませんが、実はそうとは限りません。
利益と現金は別物。「資金繰り悪化」の本当の意味
会社が黒字であっても、資金繰りは悪化します。
なぜなら、「売上として計上されるタイミング」と「実際に現金が入金されるタイミング」にはズレ(タイムラグ)があるからです。
いくら利益が出ていても、売掛金(ツケ払い)の回収が数ヶ月先だったり、売れない在庫を大量に抱え込んだりしていると、目の前の支払いに必要な現金が不足してしまいます。
このように、「利益の有無にかかわらず、手元の現金が足りなくなり、支払いが滞りそうになる状態」のことを、資金繰りの悪化と呼びます。
【夏の罠】6月〜8月に資金繰り悪化要因が集中する理由
では、なぜ夏場に資金繰りが苦しくなる会社が続出するのでしょうか。
それは、以下の「現金が出ていくイベント」や「入金が減る要因」がこの時期に一極集中するからです。
- 6月〜:住民税の決定と天引き開始
前年の利益に対する高い住民税の支払いがスタートします。個人事業主はもちろん、法人の場合も従業員の手取りを維持するための調整に追われます。 - 6月〜7月:夏のボーナス(賞与)の支給
従業員のモチベーション維持のために不可欠ですが、会社にとっては最も大きなキャッシュアウト(現金流出)となります。 - 7月10日:源泉所得税の「納期の特例」の納付期限
従業員から半年間預かっていた源泉所得税を、国へ一括で納めるリミットです。数十万〜数百万円単位の現金が一気に消えます。 - 8月:お盆休みによる「入金減」と各種税金の「中間納付」
お盆休みで稼働日が減るため、売上や入金がガクッと落ちる企業が多い月です。しかし、家賃や人件費などの固定費は通常通り発生します。さらに、個人事業税の納付(8月)や、3月決算法人であれば消費税の中間申告・納付(8月末)など、税金の追い討ちがかかります。
これらが一気に押し寄せるため、事前のキャッシュフロー計画がないと、一瞬で資金ショートを起こす危険性があります。
資金繰り悪化による最悪の結末「黒字倒産」を防ぐ3つの対策
現金の枯渇は、会社の血液が止まることを意味します。
利益が出ているのに倒産してしまう「黒字倒産」を防ぐために、今日から取り組める3つの対策と、役立つ内部記事をご紹介します。
対策① 出ていく税金を最適化し、現金を残す
手元の現金を減らさないための第一歩は、「払い過ぎている税金がないか」を見直すことです。
利益を上げるために売上を増やすのは時間もコストもかかりますが、無駄な税金や社会保険料を適正化することは、最も早く確実に手元のキャッシュを増やす(守る)方法です。
特に6月に決定した高い住民税や、毎月支払っている役員報酬と社会保険料のバランスは、会社の財務と社長個人の家計を圧迫する大きな要因です。
「役員報酬をいくらに設定すれば、会社と社長の両方に最も多く現金を残せるか?」という黄金比率を見つけることで、劇的にキャッシュフローが改善する可能性があります。
社長個人の手取りを最大化しつつ、会社から出ていく現金を最小限に抑える「役員報酬の決め方」を解説します。
対策② 補助金を活用し「入ってくるお金」の選択肢を増やす
ボーナスや人件費、さらには業務効率化のための新しい設備投資などで消えていくキャッシュ。
これらをすべて自社の売上(手元の現金)だけで賄おうとすると、たちまち資金繰りは苦しくなります。
そこで、返済不要の「国や自治体からの補助金」を資金調達の手段として積極的に検討しましょう。
補助金は借入金と違い、後から返す必要がない純粋な「入ってくるお金」であるため、キャッシュフローの改善にダイレクトに効いてきます。
何か新しいシステムを入れたい、人手不足を解消する機械を買いたいと思った時は、自腹を切る前に「使える補助金はないか?」と探す思考を持つことが、今の時代を生き抜く経営者に求められます。
最新の補助金トレンドと、資金繰りを助ける「もらえるお金」の活用法をご紹介しています。
対策③ 手遅れになる前に!つなぎ融資(資金調達)を賢く活用する
「税金やボーナスを払ったら、来月の仕入れ代金が払えないかもしれない…」
そんな状態に陥る前に、銀行や日本政策金融公庫から「季節資金(ボーナス・納税資金)」として一時的な融資を受けることは、決して恥ずかしいことではありません。
真面目な経営者様ほど「借金は悪だ」「自力で乗り切らなければ」と考えがちですが、手元の現金をギリギリまで減らして経営を綱渡りにするくらいなら、前向きな理由で「つなぎ融資」を受け、手元資金を厚く保つのが財務戦略の正解です。
注意点として、金融機関は「お金が完全に底をついてから」では融資をしてくれません。
数ヶ月先の資金ショートを見越し、資金繰り表を作って早めに銀行へ相談に行く行動力が、会社を黒字倒産から救います。
銀行の審査に通りやすい会社の特徴と、融資を申し込む「最適なタイミング」をプロが解説します。
まとめ|福岡市で資金繰り悪化にお悩みの会社は武久税理士事務所へ
資金繰りの悪化は、放置していても絶対に自然回復することはありません。
「来月になれば売上が入るから…」と楽観視しているうちに、気づけば取り返しのつかない資金ショートを起こしてしまうのが一番恐ろしいパターンです。
「今まさに夏の資金繰りが苦しくて焦っている」
「税金や社会保険料が高すぎて、現金が全く残らない」
「一度プロの税理士に相談して、財務体制を根本から見直したい」
このようなお悩みを抱える福岡市の経営者様は、手遅れになる前に、ぜひお早めに当事務所へご相談ください。
ただ過去の計算をするだけでなく、貴社の「未来のキャッシュ」を守り、増やすための具体的な財務戦略をご提案いたします。









