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社長も知っておくべき「社会保険料」の決まり方。4〜6月の残業代が1年間の手取りを減らす仕組みとは 

2026.07.28

「毎年秋になると、社会保険料が上がって手取りが減ってしまう…」
従業員からこのような不満の声が上がったり、経営者ご自身も疑問に感じたりしたことはありませんか?

実は、健康保険や厚生年金などの「社会保険料」は、毎月の給与額に合わせてリアルタイムに変動しているわけではありません。
毎年、「ある特定の3ヶ月間」に支払われた給与を基準にして、1年間の保険料が固定されるという特殊なルールが存在します。

この仕組みを知らないと、従業員の手取りが不当に減ってしまうだけでなく、労使折半で保険料を負担する会社の資金繰りも大きく圧迫されてしまいます。
この記事では、福岡市の武久税理士事務所が、意外と知られていない「社会保険料の決まり方」の基本から、ボーナスや個人事業主・副業の場合の違い、そして会社として打つべき対策までを分かりやすく解説します。

基本的な「社会保険料の金額・等級」の決まり方(標準報酬月額)

社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)の計算には、「標準報酬月額」という基準が用いられます。
これは、従業員の給与を区切りの良い金額ごとにランク(等級)分けしたものです。
では、その等級はいつ、どのようにして決まるのでしょうか。

運命の3ヶ月!「4・5・6月の平均給与」で1年間の保険料が決まる

社会保険料の金額(等級)は、原則として毎年1回だけ見直されます。
これを「定時決定(算定基礎届)」と呼びます。

具体的には、その年の「4月・5月・6月」に実際に支払われた給与の平均額を計算し、それを標準報酬月額の等級表に当てはめて決定します。
ここで決まった新しい保険料(等級)は、その年の「9月分(多くの会社では10月支給の給与での天引き分)」から翌年の8月分まで、1年間ずっと適用されることになります。
つまり、秋に手取りが減る原因は、春先の給与額にあったのです。

【要注意】基本給だけじゃない!残業代や通勤手当も含まれる

ここで経営者や従業員が最も陥りやすい罠があります。
4〜6月の給与を計算する際、対象となるのは「基本給」だけではありません。

⚠️ 「標準報酬月額」の計算に含まれるもの

残業代(時間外手当)や各種手当(役職手当・家族手当・住宅手当など)、さらには「通勤手当(交通費)」までもが計算の基礎(報酬)に含まれます。

そのため、「春の繁忙期で4〜6月にたくさん残業をした」という場合、その3ヶ月間の平均給与が上がり、結果として「その後1年間ずっと高い社会保険料を払い続ける」という事態に陥ります。
また実務上よくあるミスとして、「通勤定期代を半年分まとめて支給しているのに、1ヶ月分に割り戻さず、支給月に全額含めて誤って申告してしまった」結果、不当に高い保険料を払わされているケースも散見されます。

一時的な残業代や、誤った計算処理が、1年間の手取り額を継続的に減らしてしまう恐れがあるため、給与の支払い方と算定事務には十分な注意が必要です。

賞与(ボーナス)の社会保険料の決まり方はどうなる?

毎月の給与とは別に、ボーナス(賞与)が支給された月にも社会保険料は天引きされます。
ボーナスの社会保険料は、先ほどの「4・5・6月の平均」とは全く別の計算方法で決まります。

賞与の場合は、支給されるたびに、その総支給額から1,000円未満を切り捨てた額(標準賞与額)に対して、健康保険と厚生年金の保険料率を掛けて計算されます。
つまり、ボーナスの社会保険料は「支給された金額にダイレクトに比例する」というシンプルな仕組みになっています。
なお、このボーナス支給額は、毎月の給与の標準報酬月額を決めるための4〜6月の計算には含まれません。

【ケース別】個人事業主と副業ワーカーの社会保険料の決まり方

ここまで法人の会社員や役員を前提にお話ししてきましたが、働き方によってルールの違いがあります。
よくご相談いただく2つのケースをご紹介します。

個人事業主(国保・国民年金)の決まり方

個人事業主が加入する「国民健康保険」と「国民年金」は、法人とは全く異なる仕組みで決まります。
国民年金は、所得に関わらず定額(毎年度見直し)です。
一方、国民健康保険料は、「前年の1月〜12月の所得(儲け)」を基準にして、その年の4月から翌年3月までの保険料が計算されます。
法人のように「特定の3ヶ月」ではなく、「前年1年間の実績」がベースになるというタイムラグがある点に注意が必要です。

会社員が「副業」をした場合の決まり方

会社員が別の会社でもアルバイトや副業をし、副業先でも社会保険の加入条件を満たした場合、少し複雑な手続きが必要になります。
この場合、従業員自らが「二以上事業所勤務届」という書類を年金事務所に提出しなければなりません。
提出後、本業と副業の給与を合算した金額をもとに標準報酬月額(等級)が決定され、そのトータルの保険料を各会社の給与割合に応じて按分(割り勘)して納めることになります。

会社と従業員を守る!経営者が打つべき社会保険料対策

社会保険料は「第2の税金」とも呼ばれ、労使折半で負担する会社にとっても、資金繰りを圧迫する重いコストです。
無駄な負担を増やさないために、経営者が打つべき対策をご紹介します。

💡 対策①:3〜5月の業務効率化(4〜6月支給分の残業削減)

「4・5・6月の給与」とは、末締め翌月払いの場合、「3・4・5月に働いた分の給与」を指します。
この時期の残業を減らし、業務効率化を図ることが、結果として向こう1年間の社会保険料負担を抑える最も確実な方法です。
社内カレンダーの見直しや、一部業務のアウトソーシングを意図的にこの時期に検討してみましょう。

💡 対策②:役員報酬と社会保険料の「黄金比率」を見直す

従業員だけでなく、社長ご自身の役員報酬にかかる社会保険料も大きな負担です。
役員報酬を高めに設定すると会社の法人税は減りますが、社長個人の所得税・住民税・社会保険料が跳ね上がってしまいます。
「役員報酬をいくらに設定すれば、会社と社長の両方に最も多く現金を残せるか?」という黄金比率を見つけることが、最強の財務戦略となります。

【関連記事】役員報酬を変更するなら今!社会保険料を抑える黄金比率

まとめ|社会保険料・財務の見直しは福岡市の武久税理士事務所へ

社会保険料の決まり方を知ることは、会社と従業員の「手取り(現金)」を守るための第一歩です。

「毎年、社会保険料の負担が重くて資金繰りが苦しい」
「役員報酬の最適な金額をプロの目線でシミュレーションしてほしい」

このようなお悩みを抱える福岡市の経営者様は、ぜひお気軽に当事務所の無料相談をご活用ください。
武久税理士事務所が、税金だけでなく社会保険料を含めたトータルな視点で貴社の財務改善をご提案し、具体的な社会保険のお手続きが必要な場合は、提携する信頼できる社会保険労務士と連携してサポートいたします。

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